日本サッカー界のため、キングが一肌脱いだ。横浜FCのFW三浦知良(カズ=44)が16日、F(日本フットサル)リーグ参戦を表明し、都内日本協会で記者会見に臨んだ。エスポラーダ北海道に加入し、背番号は「11」。来年1月15日の府中アスレティック戦(きたえーる)出場が決定。今季は1試合のみの出場となるが、来季以降はJリーグとFリーグの二重登録のプランを明かした。異例ともいえるシーズン中の参戦の可能性を示唆。厳しい日程を十分に理解した上で、フットサルの発展が日本サッカーの進歩につながると信じる。カズの挑戦がここにスタートした。
約1時間の会見中、カズは笑みを絶やさず丁寧に話した。カメラの向こう、テレビカメラの先にいる子供に語り掛け、熱い気持ちを次々と言葉にした。
カズ
特に多くの子供たちがフットサルをやってほしいです。ブラジルの歴代代表選手のほとんどはフットサルからサッカーに転向している。狭いコートで多くボールに触れることで、技術が身につく。最近ブラジルに行ってきましたが、ちょうど今、日本に来ているネイマール(サントス)が子供の時にフットサルをする映像が流れていました。今の彼の技術は子供の時に身につけたものですね。
所属する横浜FCと同じオーナーが、エスポラーダ北海道を経営しており、カズは北海道を活躍の場に選んだ。来年1月14日の練習に参加し、15日の府中戦に出場する。「僕にどれだけの影響力があるか分かりませんが、より多くの子供たち、若い人たちがフットサルに触れればいい」。
1試合のみの出場だが、カズは本気だ。1月4~12日に恒例のグアム合宿を予定する。帯同コーチにはフットサルで使う筋肉を鍛えるトレーニングをリクエストしている。
来季以降は、JとFの二重登録を計画中だ。「Jで出番がなかったり、出場時間が短い週とか、Fリーグの試合があれば参加したり、今後もフットサルとずっとかかわりたいと思っています」。Jリーガーは、Fに二重登録できる、その制度を生かす。
前日バルセロナ戦観戦時には、席が近かったフットサル日本代表監督のミゲル・ロドリゴ氏から「日本の少年にはフットサルの重要性をもっと分かってほしい。明日の会見でいろんなことを言ってほしい」と協力を要請された。
15歳でチャレンジの場に王国ブラジルを選んだ。16歳で、リオグランデ・ド・スル州を本拠地とするフットサルチーム「ジュベントゥージ」の監督に誘われ、公式戦に出場して優勝した経験がある。そこで、足の裏を使う技術を身につけ、サントスでサクセスストーリーへ突き進んだ。
フットサルから学ぶ、それはネイマールもカズも同じだ。だからこそ「特に子供たちは…」と、この日5回も同じフレーズを使った。カズの挑むもの、カズが描くもの、そしてカズが子供たちを導く先、それらはすべて同じゴールへとつながっていく。【盧載鎭】
◆エスポラーダ北海道
08年3月6日設立。所在地は札幌市。09-10シーズンからFリーグ参戦。スローガンは「道産子の夢をのせて」。チーム名espolada(エスポラーダ)はポルトガル語でestrela
polar(北極星)とsoldado(戦士)を合わせた造語。ホームは北海道立総合体育センター「北海きたえーる」(1万人収容)。小野寺隆彦監督。
◆Fリーグ(日本フットサルリーグ)07年に新設され同年9月に開幕。4シーズンが終了し、新設以来名古屋が4連覇中。今季は7月に開幕し、来年2月終了。10チームによる3回戦総当たりのリーグ戦で、1、2回戦はホームアンドアウェー方式で、3回戦はセントラル方式の全27節。北海道、花巻、浦安、府中、町田、湘南、名古屋、大阪、神戸、大分の10チームが所属。最終的には16チームを目標とする。



