<高円宮杯U-18プレミアリーグ・イースト:静岡学園0-4札幌ユース>◇第15節◇7日◇静岡学園グラウンド

 静岡学園が、手も足も出せずに札幌ユースに完敗した。前半22分に失点すると、同30分にはまずい守備の対応で追加点を許す。後半も流れを変えられずに2失点した。ハーフタイムに加え、試合後にも川口修監督(39)は選手に厳しい言葉を投げかけていた。

 静岡学園の両サイドバックが狙われた。右のDF手塚朋克(17)は本職だが、左の原田鉄平(17)は本来FW登録。どちらもあまり守備は得意ではない。前半の2失点はいずれもサイドバックの裏のスペースを使われたことで喫した。

 前半22分。左サイドを突破され、逆サイドから走り込んだ相手FWに技ありのゴールを決められた。同30分には右サイドからGKと最終ラインのちょうど真ん中にパスを送られる。MF須藤駿介(16)が追いかけたが、体をぶつけられると勢いに負けGKと1対1の局面を作られて失点。サイドの守りで手塚が後手を踏み、パスを許したことが失点につながった。

 ハーフタイムには川口監督の雷が落ちた。「どちらが行くのかはっきりしろ」。クリアするのは誰か、カバーはどこにいるのか。ピッチ上での声は少なかった。パスミスが続いた手塚も「もっと落ち着いてやれ」と叱責(しっせき)された。後半もマークの受け渡しが不十分で、2列目からの飛び出しを簡単に許した。

 手塚は「相手の攻めに押し込まれてしまった」と反省。手塚がAチームに昇格し、代わりにサイドバックをやるようになったことがきっかけの原田も「いろいろなポジションができるようになりたいけど、今日はミスにも失点にも絡んでしまった」とうつむいた。

 試合後、選手ミーティングに加えて川口監督からの説教が20分続いた。次節のアウェー流通経大戦を終えるとリーグは選手権のため中断する。この日で静岡学園グラウンドでの試合は終了。残留へ不安のよぎる“ホーム最終戦”だった。【加納慎也】