<Fリーグ:名古屋4-2大阪>◇10日◇名古屋・テバオーシャンアリーナ

 フットサルの顔が、Fリーグを去った。Fリーグのプレーオフ決勝第2戦が行われ、名古屋が大阪に勝利。シーズン首位のアドバンテージを合わせて3勝とし、リーグ6連覇を果たした。今季限りでの引退を表明しているFP木暮賢一郎(33)は出場機会はなかったが、自身最後のリーグ戦を優勝で飾った。

 木暮がコートに呼ばれることはなかった。しかし、最後の1秒まで手をたたきながら叫び、仲間を鼓舞した。3月には全日本選手権が控えるが、チームは若手中心の構想を敷いており、出場の可能性は低い。人生最後のリーグ戦を終え、木暮は「ここまでやってきたことに悔いはない」と笑顔で言った。試合後には仲間に胴上げされた。

 日本代表で主将を務めるなど、フットサルの顔として活躍。昨年のタイW杯ではJ2横浜FCのFWカズの相談役となった。「カズさんと一緒にいたのは1カ月ほどだったけど、素晴らしい出会いだった。競技のためにも交流していきたい」と話した。カズからは「木暮が監督になったら自分が選手としてフットサルをやりたい」と熱望された。また、上咽頭がんで闘病中の神戸FP鈴村についても「早く治って、一緒に競技の良さを子どもたちに発信していきたい」と願った。

 今季のFリーグはプレーオフも含め、昨季より7万人以上も多い25万2088人の観客を動員した。人気向上には「カズ効果」とともに、これまでの木暮の奮闘があったことを忘れてはならない。【由本裕貴】