来年から、toto(スポーツ振興くじ)が毎週発売される。Jリーグは、来年度からのJ3設立に向け現在、各クラブとの調整作業に入っている。遅くても5月の理事会では承認される見込みで、J3がtotoに組み込まれれば、最大6億円が当たるtoto・BIGが毎週実施され、売り上げ約3割増が見込まれる。売上金はスポーツ指導者の育成などにも充てられており、体罰問題に揺れる日本のスポーツ界の改革につながる可能性もある。

 J3構想が、現実味を帯びてきた。Jリーグは、先月の実行委員会でJ3設立を各クラブに伝え、同意を求めた。さらに今月から、Jリーグ幹部が各地域に出向き、クラブ幹部を集めて説明会をスタート。すでに九州と関西地区で、説明会を開いた。

 あるクラブの社長は「先月の実行委員会で、Jリーグから『J3がスタートすると、毎週BIGが実施できるので、totoからの助成金も増えます。その増えた分を、J3の運営に充てます』と説明された」という。

 totoの売り上げの約7割を占めるBIGは、代表活動中はJ1が実施されないため、発売されない。しかし、J3がスタートすると、代表活動とは関係なく、J2、J3合わせて毎週14試合以上行われるため、シーズン中は毎週BIGが発売されることになる。それに伴うtotoの売り上げは、約3割増が見込まれる。totoファンにとっては、最大6億円の夢が毎週みられる。

 昨季は、JリーグからJ1クラブが約2億6000万円、J2クラブは約1億3000万円の配当金が割り当てられた。J3構想で、各クラブが最も難色を示した部分は、Jからの配当金が減る危険性があることだった。しかしtotoからの助成金が上乗せされると、J3実施とともに、配当金が減る危険性がなくなり、問題は解決できる。

 totoの売上金は、各競技団体の支援やスポーツ環境作り、トップアスリートの育成、さらに指導者の資質向上などに使われる。J3がスタートし、売り上げが伸びると当然、一昨年の東日本大震災の復興資金も増える。さらには、社会問題にも発展した指導者の暴力行為などの改善にも役立つなど、さまざまな効果が期待できそうだ。

 ◆昨季のtoto実績

 59回実施され、うち34回でtoto・BIGが発売された。総売り上げが約843億円とシーズン別売り上げで3位をマーク。BIGは約585億円と約7割を占めた。1等6億円は41口出ており、キャリーオーバー約41億5000万円は13年シーズンに繰り越される。