<データが語るJリーグ>

 鳥栖FW豊田陽平(28)が、6日の東京戦で史上72人目のJ1通算50得点を達成した。J2でも通算53ゴールを記録しており、J1とJ2の両方で通算50得点以上は、FWエメルソン、FWジュニーニョ、FW佐藤寿人に次いで史上4人目になる。日本選手では佐藤以来2人目だが、佐藤の場合は「J1→J2」の順で50得点に到達。豊田はその逆の「J2→J1」。これまでの苦難のプロサッカー人生を象徴するような記録となった。

 04年にJ1名古屋に入団も満足な結果を残せず、07年にJ2山形へ移籍。09年に1度はJ1に復帰するものの、わずか1得点で再びJ2に“降格”した。だが、その後は11年のJ2鳥栖で23得点を挙げて得点王を獲得。ようやくJ1“再昇格”を果たした。昨季は20得点をマークし、日本代表にも初選出。今季は開幕から6戦5発で得点ランク首位タイに立つ。

 過去の両リーグ50得点以上の3選手は、いずれもJ1とJ2の両方で得点王を獲得。今季の豊田も史上4人目の両リーグ得点王に向けて好スタートを切った。その快記録達成の前に、まずは代表初ゴール、そして6月からのW杯本大会出場を狙う。【石川秀和】