<J1:広島4-0清水>◇第19節◇30日◇広島ビ

 清水は中1週間でアウェーで得点を奪えず、またも0-4で大敗。今季初の連敗で8位に下がった。

 安倍川の花火大会が華やかに雨空を彩った静岡市内とは対照的に、広島の夜は悲鳴が響き渡った。清水は今季ホームで黒星を喫している広島にアウェーでも苦戦を強いられた。試合開始わずか4分。相手のCKから2次攻撃であっさり先制点を決められた。リーグ2戦連続でCKから失点し、出ばなをくじかれた。さらに、同39分。右サイドの突破を許すと、相手のクロスがDFボスナー(31)の胸に当たりオウンゴールを献上し、2点のリードを奪われた。

 攻撃に回ってもイージーなミスを連発。前節移籍後初ゴールをマークしたFW高木俊幸(20)の横パスが相手に渡りカウンターを受ければ、前線で奮闘するFW高原の落としも微妙なずれが生じ孤立した。前半に放ったシュートはFKからボスナーが放った1本のみ。ゴトビ監督は「みんなプロのプライドがあるだろ?

 諦めるんじゃない!!」と、後半へゲキを飛ばした。

 後半に入りゴトビ監督は普段どおり交代枠上限の3選手を交代。巧みな采配で勝ち点を積み上げてきたが、2戦連続不発に終わった。むろん、選手のパフォーマンスが指揮官の望むものではなかったにせよ、先発布陣や中盤の構成については疑問点も残る。「後半勝負」として臨んだのか、それとも「前半から先制点」を狙ったのか。ナビスコ杯甲府戦から中2日のアウェー戦で厳しい条件だったことは確か。数節前は「リーグの一番上にあるバラのにおいを感じる」と話していた。しかし、今季初の連敗、初の2戦連続無得点、さらには2戦合計8失点というデータが並べば、状況は一転したとしか言いようがない。【為田聡史】