石さん昇格記念の地から逆襲を図る。J2札幌は今日26日、平塚競技場で湘南と対戦する。石崎信弘監督(53)にとって、同競技場は06年柏時代に、最終戦で勝ち、自身初のJ1昇格を成し遂げた思い出のピッチだ。札幌にとっても00年10月21日に2度目の昇格を果たしたのが同競技場での湘南戦。最高に験のいい敵地で2戦ぶりの白星を挙げ、逆転昇格へ望みをつなぐ。

 指揮官の目に狂いはない。石崎監督は25日の直前調整で、ニット帽とネックウオーマーの隙間から、じっと選手の動きを観察した。そして迷うことなく言い切った。「明日は大丈夫じゃ。選手がいい顔をしとる。周りは崖っぷち崖っぷちと騒いでおるが、わしにはそうは思えん。ネガティブにならんこと。こんなチャンスはない。そう思わんと」。負ければ昇格消滅の可能性がある土俵際の一番ながら、悠然と笑みを浮かべた。

 「いけそうなときは、わしには何か感じるものがあるんじゃ」。それは選手の意気込みだけではない。札幌が00年に2度目の昇格を決めたのが10月21日、平塚での湘南戦だった。指揮官としても06年柏で昇格を決めたのが12月2日、同競技場での湘南戦だった。3-0で圧勝し、神戸を逆転して2位に浮上。自動昇格権をつかんだ。監督として初めてJ1昇格を決めた記念のピッチだ。逆転昇格への一歩を踏み出すには最高の舞台が整った。

 いつものルーティンで、ブレずに試合に臨む。オフの22日は夫人と一緒に、ブラッド・ピット主演で大リーグが題材の映画「マネーボール」を鑑賞した。サッカー漬けになりがちな石崎監督が大切にする夫人との楽しいひとときだ。「いい映画じゃったよ。サッカーとは似ている部分も違う部分もあるよね」。前日24日には散髪に行った。息抜きと身だしなみ。試合前の儀式も万全だ。後は勝利に集中する。

 札幌は過去11月26日は2戦2勝と吉兆データも後押しする。「わしのことじゃから必ず最終戦までいくよ。最後まで何が起こるか分からんけ。J2を最後まで面白うせんとね」。99年、00年大分、03年川崎F、06年柏と過去4度の昇格争いはすべて最終戦決戦だった。ここで終わるわけにはいかない。今週は天候も良く室蘭入江での日帰り調整も回避した。験もいい、天も味方につけた。石崎サッカーは、11年シーズンぎりっぎりまで盛り上げていく。【永野高輔】

 ◆06年J2最終52節での昇格争い

 前節第51節まで1位横浜FC(勝ち点93)、2位神戸(86)、3位柏(85)。石崎監督が指揮した柏は前節まで2連敗で敵地平塚での湘南戦に臨んだ。前半33分、後半8分、同49分と3得点し3-0で圧勝。神戸が仙台に1-2で敗れたため柏が自動昇格圏の2位に浮上。3位に落ちた神戸が入れ替え戦に回った。