2枠をかけたガチンコレースが幕を開ける。今季の仙台はFWレギュラー争いのサバイバルとなる。オフの補強を完了させ、今季の構想がより具体化し始めてきたところ。手倉森誠監督(44)は2トップについて「FWは層が厚いけど、全員で争ってもらわないと困る」と激しい競争をあおるつもりだ。

 現状でエントリーしているのは6人。まずは昨季自己最多となる14ゴールを挙げた赤嶺真吾(28)がぶっちぎりの本命だ。対抗は太田吉彰(28)。前線の守備能力にも優れた2人の組み合わせは、堅守を持ち味とする仙台のサッカーにフィットする。ただ、昨季終盤不動だったこのコンビも安泰とはいかない。手倉森監督は「(赤嶺は)14点取ったっていうアドバンテージはある」としながらも、平等にチャンスを与える方針を強調している。

 2人に割って入るべく、左膝の手術から復活を期す柳沢敦(34)とチーム残留を決断した中原貴之(27)が控える。昨季右サイドハーフで適性を見せた武藤雄樹(23)も本職はFW。虎視眈々(たんたん)とレギュラーの座をうかがう。大穴は新外国人ウイルソン(26)か。ブラジル、イタリア、中国と3カ国を渡り歩いた助っ人は、日本の水に合えば大化けもあるかもしれない。“仙台FWダービー”がキャンプを盛り上げることになりそうだ。【亀山泰宏】