磐田討ちで残留じゃぁ!

 Jリーグの今季開幕カード(第1、2節)が17日、発表された。3月10日の開幕戦で、札幌は札幌ドームで磐田と対戦する。ホームでのJ1開幕戦は史上初。過去3年、開幕戦で磐田に勝った昇格組の09年山形、10年仙台がJ1に残留しており、負けた11年甲府はJ2に降格している。昇格クラブの成績を占う開幕磐田戦で勝ち点3を奪い、スタートダッシュを図る。3月17日の第2節はアウェーで神戸と対戦する。

 Jリーグ優勝3回の強敵を倒し、J1定着への足がかりをつくる。会場は昨季12月3日の最終戦で3万9243人を動員し、J1昇格を決めた本拠札幌ドームだ。J1ではクラブ初となるホーム開幕に石崎信弘監督(53)も気持ちを高ぶらせた。「ホームだし最終戦の勢いに乗って戦える。是非、超満員のサポーターが集まってほしいね」。大観衆を背に01年以来11年ぶりのJ1開幕戦勝利を目指す。

 “残留方程式”を完成させる。磐田は今季で4年連続で昇格クラブとの対戦。09年の山形、10年の仙台は開幕磐田戦に勝って勢いに乗り、J1残留を果たした。日本代表FW前田を擁する難敵ながら、石崎監督自身も柏時代の07、08年に開幕磐田戦で2年連続勝利を挙げている。札幌就任後は開幕戦1分け2敗と未勝利だけに「なんとか勝たにゃあね。引き分けじゃいかん」と必勝指令を出した。

 アドバンテージはある。昨季8位の磐田はDF駒野、加賀、韓国代表イら主力DF陣が一気に移籍。初陣となる39歳森下監督の下、1からのチームづくりが課される。札幌はDF山下のC大阪移籍は痛かったが、それ以外は、ほぼ主力を維持している。新加入選手を組み合わせる作業は必要だが、個々の能力が高い相手でも、強固な組織で立ち向かえば勝機はある。

 DF河合は「磐田は山田、山崎ら若い選手も成長してきていいチームだと思う。でも自分たちは勝つためにベストを尽くす。しっかりキャンプで準備をしてきたい」と言った。昨季J1でリーグ最少25失点で4位と健闘した仙台が、守備力を生かし昇格した札幌にとって、いい手本だ。指揮官は「札幌は降格候補と言う人もおるけど勝負は何が起こるか分からんよ」と自信をのぞかせた。鉄壁のガードから強烈なカウンターパンチを浴びせ、名門磐田をノックアウトする。【永野高輔】