【グアム(米国)25日=永野高輔】スタートは横一線じゃ!

 札幌がグアム合宿で本格始動した。石崎信弘監督(53)は、昨季の実績に関係なく、レギュラー争いは全選手ゼロからのスタートを強調した。昨季主将のMF河合竜二(33)チーム得点王のFW内村圭宏(27)でさえも先発の確約はなし。34人の大所帯になることもあり、全選手で定位置を争わせ、チームの底上げを図る。

 レギュラーが確約された選手は誰ひとりいない。12年札幌はグアム合宿から3月10日の開幕まで、約6週間のハードな練習を勝ち抜いた者だけがチャンスを獲得する。本格始動となったこの日、石崎監督は「今季の柱になる選手はこれから。まだ考えていないよ。去年の実績は関係ない。すべて横一戦じゃ」と明かした。18歳の昇格5人組から最年長の44歳中山まで、全34選手が定位置争奪戦を繰り広げる。

 メンバー増を有効に生かす。今季メンバーはこの日発表されたDFジュニーニョを含め、昨年始動時より8人多い34人に拡大した。「人数も増えて層が厚くなった。常に調子がいい選手が出るようにしていければ」と指揮官。攻守の要と期待される昨季主将のMF河合も、チーム得点王の内村でさえも、レギュラーの保障はない。合宿を通して好調を維持できたメンバーだけに開幕切符を渡す。

 選手も歓迎だ。MF河合は「調子が悪ければ使われないのは当然。多くのメンバーで争った方が底上げにもなる。僕も定位置を譲る気は、さらさらないですから」と望むところだ。新加入はFWが大島、前田、キリノ、MFは高柳、山本、DFはノース、ジュニーニョ。GKは杉山が加わりクラブ最多の5人体制となった。移籍組8人にユースからの昇格組5人。13人の新戦力を絡めた激しい“バトルロワイヤル”が始まる。

 合宿初日のこの日は、宿舎到着の約1時間後、現地時間の午後4時半から練習が行われた。30分のペース走から石崎監督主導のフィジカルトレ、ミニゲームと、みっちり2時間のトレーニングとなった。「やっと芝の上でできるからね。まだ体慣らしじゃないかな」と指揮官。まだまだ序章でしかない。地獄のサバイバル合宿は、これから本領を発揮する。