G大阪が無名の逆輸入選手を獲得した。8日、ブラジルのクラブを渡り歩いたDF沼田圭悟(21)の獲得を発表。高校を卒業後、10年からブラジルに留学してCALバリリなどでプレーした。現地では念願のプロ契約をつかんだものの、月給わずか3万円。夢を諦めきれずに、家族からの仕送りで生活してきた。

 今季からG大阪入りした呂比須ヘッドコーチの目に留まり、練習生として合流。この日の練習試合前に正式契約を告げられ、すぐに家族にメールで喜びを伝えたという。苦労人の沼田は「ブラジルでは催涙スプレーをかけられたり、ケンカに巻き込まれたり、危険な思いもした。でも大した選手ではないので、はい上がるしかなかった。五輪とW杯に出ることが夢。ようやくスタートラインに立てた」と、しみじみと言った。

 無名ながら左サイドバック(SB)のレギュラー候補に挙がる。セホーン監督は「守備に難点があるが、攻撃参加がいい。彼には輝かしい将来がある」と期待。今後の適応次第では、開幕スタメンも現実味を帯びてくる。沼田は「ブラジルで学んだずうずうしさを出したい」。定位置獲得の先に、日本代表入りを夢見ていた。【益子浩一】

 ◆沼田圭悟(ぬまた・けいご)1990年(平2)7月24日、岐阜県生まれ。幼少時代に群馬県に移り、高崎イーグルスから高崎経大付高でプレー。高校卒業後にブラジルに留学し、CALバリリやCAグラスアーノなどに所属。利き足は左。170センチ、65キロ。独身。