ワシは投げない-。札幌石崎信弘監督(54)が20日、自ら辞任する意思がないことを明言した。前日19日の鹿島戦は、監督人生ワーストとなる0-7敗戦。それでも「クビにされるまでは責任を持って続けないと。無責任なことはできない」と話した。クラブから指揮を任される限り、J1残留の任務に向かい、突き進んでいく。

 石崎監督にとって、これ以上ない屈辱だった。過去、最も大差で負けた試合はJFL山形時代の96年9月1日神戸戦、大分時代の99年3月28日大宮戦で味わった0-5だった。最下位に低迷し、クラブワーストタイの7失点。つらい状況にも腹は座っていた。「負けはワシの責任。でもクラブがクビにする前に自分から辞めるとは言えん。それは無責任」。01年に大分を途中解任されたことはあったが、辞任は一度もない。託される限り、男のポリシーは絶対に曲げない。

 正GK李が今季絶望になるなど負傷者が続出。戦力的にも厳しい状況が続くが、クラブも石崎体制で残留を果たすため動いていく。三上強化部長は「監督を変える考えはない。だがユースの有望選手を登録するなど、今できる手はうっていく」とサポート案を明かした。移籍ウインドーが開く7月末まで、現有戦力で戦うしかないが、この正念場を乗り切れば、必ず終盤の逆襲につながる地力が付くはずだ。【永野高輔】