石さんが奈良をDF再構築のキーマンに挙げた。札幌は1日、札幌ドームサブグラウンドで戦術練習などを行った。石崎信弘監督(54)は5月26日の前節広島戦を振り返り、新人DF奈良竜樹(18)のプレーに及第点を与えた。同3日のC大阪戦から3戦連続先発落ちしたが、ここ2戦で復調。守備組織再建の軸として期待した。

 まずは土台をしっかり固定する。この日の練習前、石崎監督は広島戦のDVDを使って反省ミーティングを開いた。チームはJ1ワーストの28失点。指揮官は「奈良が本調子に戻ってきているのが大きい。いいときの状態になってきていた」とポイントに挙げた。自信を取り戻した18歳を軸に、守備の立て直しを目指す。

 ショック療法が効いた。3月10日の開幕磐田戦は完封発進したが、同31日の第4節清水戦で奈良のミスから失点した。昨季、高校3年でデビューもJ1は初体験。精神的負担も大きく、4月7日の柏戦から同28日大宮戦まで4戦連続で失点に絡んだ。「大宮戦後はサッカーがやりたくないと思うほどだった」。先発を外れた間はビルドアップやラインコントロールのことより、守備に専念し、武器である対人の強さを取り戻した。

 27日のJAイベントで地元の北見に帰省し、29日までオフを利用して家族と過ごした。「精神的にリフレッシュもできた」。心身ともに再生した“カテナラチオ”を、チーム浮上のきっかけにする。【永野高輔】