<J1:清水3-1仙台>◇第27節◇29日◇アウスタ
悔しい悔しい、今季4点目だった。仙台MF菅井直樹(28)が、敵地アウスタでチームとして2年ぶりの得点を奪った。清水戦の前半14分、強烈なヘディング先制弾。打撲した左内転筋の痛みをこらえてフル出場する意地を見せたが、後半に試合をひっくり返されて敗れた。勝ち点5差となった首位広島追い上げへ、超攻撃型サイドバックが次こそ勝利に導く。
ゴール直後に見せた笑みはない。試合後の無表情が、菅井の胸中を雄弁に語っていた。前半14分、右サイドでウイルソンのリターンを受けた太田がクロス。パス交換する2人の脇を抜け、悠々とエリア内へ進入していた菅井がたたき込んだ。「ドンピシャだったとは思う。でも(負けたら)意味がない」。本人はバッサリ切り捨てたが、アシストの太田が「あれだけフリーなら、いい(クロス)ボールを上げる自信がある」と胸を張ったように、チームの得意とするサイド攻撃の脅威は見せつけた。
5月の名古屋戦以来、13試合ぶりの一撃。完全にフリーでシュートを打たせた清水DF陣は、お手上げとばかりに両手を広げていた。これぞ菅井という、神出鬼没の超攻撃的スタイル。21日に28歳となったばかりの男は、しみじみと話したことがある。「年を取ってきたのかな。こんなにバチバチ、よくやれてるなと思う。サイドバックがやるプレーじゃないけど、自分の発想というか、勝手に体が動いちゃう」。超人的な運動量と引き換えに、試合後は酸欠のような状態に陥ることもあるという。それでも「攻めるスポーツですから」と出し惜しみはしない。
前節22日の神戸戦で左内転筋を打撲し「やった後の3日間は、まともに眠れなかった」状態ながら、この日も最後まで走り続けた。「(天敵清水に勝てず)周りにやっぱりかと思われるのは仕方ない。でも、選手も悔しい」。疲れても、痛くても、チームが勝つまでは何度でも右サイドを駆け上がる。【亀山泰宏】



