難敵千葉討ちで勢いをつける!

 Jリーグは22日、今季開幕から第2節までの対戦カードを発表し、J2札幌は3月3日、フクダ電子アリーナで昨季J2・5位の千葉と開幕戦を行うことが決まった。財前恵一監督(44)は開幕戦の勝敗を重視。今季、千葉から加入した北原次郎コーチ(31)のデータを駆使して、開幕ダッシュを狙う。ホーム開幕戦は同10日、札幌ドームで栃木と対戦することになった。

 まずは敵地からのスタートが決まった。札幌の開幕戦の相手は、昨季プレーオフに進出した千葉。不足はない。財前監督は「開幕戦だけに照準を定めるわけではないが、そこで勝てば勢いづく。当然、重要視はしている」と初陣必勝を掲げた。

 千葉はDF山口智、MF佐藤勇、兵働らJ1経験豊富なメンバーを複数そろえる難敵。それでも指揮官は「開幕までにチームが完全に出来上がっていないということもある。早い時期にやるメリットはある」と序盤での対戦を喜んだ。札幌同様、鈴木淳監督(52)が就任1年目。体制存続でチームが完成しているチームに比べれば、ハンディは少ないというわけだ。

 情報戦に勝つため、理想的な人材も確保した。千葉から今季、スカウティング担当として北原コーチが就任した。「コメントしづらい相手ですね。僕はチームの中での任務をまっとうするだけ」と明言は避けたが、個人の特長、性格などのデータは頭に入っている。財前監督も「もちろん彼の情報を生かす。いろいろ相談しながらやる」と期待した。既に同コーチは2月17日、柏-千葉のプレシーズンマッチ・ちばぎんカップ視察を予定。開幕戦勝利への準備が始まった。

 因縁はコーチだけではない。次期社長の野々村芳和顧問(40)の古巣でもある。慶大卒業後、プロ生活をスタートさせたのが千葉(当時は市原)だった。5シーズンプレーも99年オフに戦力外通告を受け、当時札幌の監督だった岡田武史氏(56)に呼ばれ、活躍の場を北海道に移した。それが縁で、クラブの顔としての地位を確立しただけに「今は特別な感情はないが、開幕の1勝は大きい。強い相手だが、ひるまず戦ってほしい」とゲキを飛ばした。

 OB社長、OB監督に加え、道産子最多18人-。札幌大変革を懸けた勝負の一戦に向け、クラブに関わる全員が、魂を胸に立ち向かっていく。【永野高輔】

 ◆札幌のフクダ電子アリーナでの戦績

 リーグ戦では3戦2勝1敗。08年7月13日、10年7月18日の千葉戦はともに3-0と完勝した。06年天皇杯ではJ2ながら、11月8日の4回戦で千葉に1-0、同5回戦で新潟にPK戦勝利とJ1勢に連勝。ナビスコ杯では08年4月16日の予選リーグC組第3節で千葉と0-0で引き分けた。公式戦通算4勝1分け1敗、勝率は6割6分7厘と高い。