道産子FWがゴン魂を受け継ぐ。J2札幌は27日、札幌市のニトリ文化ホールでファン感謝イベント「2013プレビューパーティー」を開催した。全選手の背番号が発表され、昨季限りで現役引退した元日本代表FWの中山雅史氏(45)が背負った9番は、6年目FW横野純貴(23)に決まった。イベントでは中山氏がサプライズゲストとして登場し、後継者にエールを送った。

 願いがかなった。あこがれの男が背負った9番だ。横野は「子供のころから夢見てきた選手。ゴンさんの魂を受け継ぐ。最後まであきらめないプレーを見せたい。もう誰にも渡さない」と気を引き締めた。

 中山氏が望んだ人選だった。J最多157ゴールなど数々の金字塔を立ててきたヒーローだ。クラブでは9番の後継者を誰にするか本人に打診し、同氏が理想として挙げたのが横野と榊だった。2年目の榊は、あまりの重さに困惑し、辞退したが、横野は「もし付けられるのなら欲しいです!」と強く願い出た。

 クラブも、同氏と横野の熱い思いに応えた。イベントに駆けつけた中山氏は「横野はやる男。バカになれるやつだし、そうなれるやつは強い。9が似合う選手になってくれるといいね」とエールを送った。

 98年W杯フランス大会ジャマイカ戦で中山氏が決めた日本人初ゴールが、横野を野球少年からサッカー少年に変えた。昨季はJFL金沢に期限付き移籍し、アマチュア選手にまじり苦労を学んだ。「札幌でプレーできることが心からうれしい。背番号以上の点を取る」。鉄の意志を背負った年男が、札幌をJ1に導く。【永野高輔】