<J2:札幌1-3G大阪>◇第6節◇3月31日◇札幌ド

 ケガ人続出で敗戦-。J2札幌はG大阪に敗れた。前半28分にDF松本怜大(22)が左足首を負傷、後半22分から途中出場したMF古田寛幸(21)も同32分に左膝を負傷して交代と、交代2枠を負傷絡みで使うというアクシデントに見舞われた。今季初の連勝を逃し、13位から18位に転落。J2でのホーム3連敗は09年以来4年ぶりで、開幕戦からの本拠地3連敗はJ2ではクラブ初となった。

 痛い1敗だった。シュート数はG大阪の14本に対して札幌15本。チャンスをつくるも、序盤の失点を覆すことはできなかった。「こちらにもビッグチャンスはあった。精度を上げないと。トータルで力の差は感じたが、そういうレベルの相手は他にもいる。攻守ともに修正したい」と財前監督。遠藤、今野ら代表組に翻弄(ほんろう)され、今季初めて2点差以上での敗戦となってしまった。

 立て続けにアクシデントに襲われた。「ケガ人でゲームプランが変わってしまった」と指揮官。前半28分、松本が相手選手と接触し、左足首を痛めて途中交代。0-1の後半22分には、古田が相手のシュートを止めた際に左膝を痛めた。交代が間に合わず、そのままFWレアンドロを追いかけ「最後は痛くて倒れてしまった」と振り返った。出場わずか10分での交代。ユニホームで悔し涙を隠しながらピッチを去った。

 2人は今日1日、札幌市内の病院で精密検査を受ける。佐川チーフトレーナーは、古田については「靱帯(じんたい)か半月板を痛めた可能性がある」と重傷の可能性を示唆。開幕1カ月で、昨季チーム得点王が長期離脱する可能性が出てきた。

 ここを乗り切れるかが、再浮上のカギを握る。財前監督は「誰が主力とかじゃなく、全員で戦えなければ今のチームはシーズンを戦い抜けない」と言う。DF趙の負傷で上原が初先発、奈良の出場停止でパウロンがデビューした。さらに松本の負傷交代で堀米もJデビューを果たした。

 3月だけで新人3人がJリーグを経験。新しい力を主力に融合させながら、戦力を維持できることこそ、財前札幌のテーマでもある。屈辱の敗戦を機に、31人の戦力を巧みに組み替え、チームを再構成していく。【永野高輔】