新社長の情熱が、1冊の本になる。J2札幌の野々村芳和社長(40)の著書「職業サッカークラブ社長」(ベースボール・マガジン社刊)が出版されることが2日、分かった。11日に札幌市内でサイン会を行い、13日に発売される。元プロ選手として初めて古巣Jクラブ社長に就任した経緯、サッカービジネスに懸ける思いをまとめ、サポーターと共有していく。

 札幌社長初の著書出版に「たくさんの人に僕の考えを共有してもらいたい」と話した。昨年末、出版元のベースボール・マガジン社が、元Jリーガーからのクラブ社長転身に着目。Jリーグ全体の観客減少や、クラブ経営に対する同社長の真摯(しんし)な思いに共感し、出版にこぎつけた。

 内容は社長就任までのいきさつ、将来への野望などを8章にわたってまとめている。「1万人のサポーターに読んでもらえたら」。売り上げは個人ではなく、クラブ収入として、債務超過や赤字の解消、将来的な補強費につなげていく。

 3月31日のG大阪戦では社長就任後、初めて黒星を喫した。今季ホームでの白星はまだない。「負けると悔しいよね。何とかしたいよね」。現場を知るトップの経営理念を広く伝え、多くのサポーターを集めることで、チームの勝利と経営改善に結び付けていく。