鈴木止めてホーム失点止める。J2札幌GK杉山哲(31)が23日、次節26日水戸戦(札幌厚別)での完封勝利を目標に掲げた。相手のエース元日本代表FW鈴木隆行(36)は鹿島時代に後輩としてシュートを受け続けてきた。今季4点と好調な先輩が相手も、ゴール前での動きは既に頭にインプット済み。経験豊富なベテランストライカーを無得点に封じ自身初、チームでも今季初となるホーム完封で勝ち点3をつかむ。

 ホーム失点病を杉山の好守で止める。今季本拠7戦連続の計12失点。なかなか失点が無くならない状況に「何とかホームで勝ちたい。ゼロで抑えれば負けはない」と気を引き締めた。個人的にも、昨季デビューからホーム12戦連続失点中だけに、しっかり結果を残し、レギュラーの座を固めにいく。

 水戸討ちの準備はできている。今季4発と得点源の鈴木とは04、05年に鹿島で一緒にプレーした。02年W杯日韓大会で得点後、欧州リーグを経験し、脂がのりきったころの重いシュートを毎日、受け続けた。打つタイミング、好きなコースと、特長は熟知している。ピッチでは初対戦となるが「鈴木さんは後ろで守る選手には嫌な存在。特に左足が強烈。そこは昔も今も変わらないし、注意してプレーしたい」と意気込んだ。鹿島時代、洋服をもらうなど慕っていたアニキ分でもある。データを駆使し封じることが、恩返しにもなる。

 悪夢を乗り越え、精神的に安定感が出てきた。今季札幌厚別初戦だった4月28日熊本戦で、強風による不運なオウンゴールを与え2失点。1-3と逆転負けを喫し、3日の京都戦では公式戦未経験だったGK曵地に定位置を譲った。30代のベテランとして屈辱の日々を味わうも、先発復帰した6日北九州戦からは3戦2失点と上々。「厚別の1戦目が最悪だった。もう気にならない。個人的に、いい経験になった。あれ以下はない」と、気持ちを整理した。

 この日、札幌ドームサブグラウンドでの練習では、左利きFW榊のシュートを連続ストップ。“鈴木封じ”のイメージをふくらませた。「あとは気持ちを持って戦うだけ」。チームとして12年5月3日C大阪戦以来1年ぶり本拠完封勝利で、勢いをつかむ。【永野高輔】<杉山Jデビューからの歩み>

 ◆12年6月16日

 仙台戦(ユアスタ)で30歳11カ月21日でのJリーグデビュー。

 ◆7月28日

 6戦目の名古屋戦(札幌厚別)で2-1と初勝利。

 ◆9月1日

 11戦目の清水戦(札幌ドーム)で0-2と敗れ、次の同15日柏戦(柏)から先発を外れる。

 ◆13年3月3日

 通算12戦目の開幕千葉戦(フクアリ)で1-0と自身初完封。

 ◆4月28日

 22戦目の熊本戦(札幌厚別)でオウンゴール2失点し、次の5月3日京都戦は先発を外れる。

 ◆5月6日

 GK曵地の腰痛を受け北九州戦(本城)で2試合ぶりに先発復帰。1-0勝利に導く。※リーグ通算25試合、ナビスコ杯通算2試合出場