<J2:横浜FC0-2札幌>◇第17節◇1日◇ニッパ球

 日高弾で3戦ぶり勝利!

 J2札幌は横浜FCに勝ち、引き分けを挟んで敵地4連勝を飾った。前半開始20秒でDF日高拓磨(30)が今季初ゴール。同10分にFW前田俊介(26)が追加点を挙げ、5月12日山形戦以来3戦ぶりの完封勝利を挙げた。アウェー5戦負けなしは3年ぶり。2点差勝利は4月17日鳥取戦以来8戦ぶりとなった。札幌は勝ち点を23とし、プレーオフ圏6位との差は4となった。

 電光石火の一撃だった。前半開始20秒、MF荒野の右クロスをMF上里がミドルシュート。こぼれ球を再びMF砂川がミートしきれず、流れてくると、セカンドボールを拾おうとDFラインから上がってきた日高の前に転がってきた。ゴールまで18メートル。「自然と反応できた。うまく力まずにシュートにいけた」と振り抜いたボールは、一直線にゴールへと突き刺さった。

 昨年8月25日G大阪戦以来、約9カ月ぶりの得点。「みんなが試合開始から気持ちを出そうと声掛けしたのが形になった。相手より早く奪おうという思いが出た」と振り返った。3月3日開幕千葉戦を超える今季アウェー最多1400人のサポーターへの感謝も忘れなかった。「あの応援をもらって気持ちが入らない選手はいない。力になった」。右サイドバックとして3戦ぶり完封勝利に貢献するなど、DF最年長が攻守でチームをけん引した。

 昨季は股関節痛を抱えながら19戦連続フル出場。9月15日柏戦を最後に治療のためオフまで長期別メニューに入った。「最初は1、2カ月休めば治ると思っていたが1月の始動に間に合わなくて焦った」と言う。2月の熊本合宿は全日程リハビリ。減らない痛み、復帰への不安-。それでも「気持ちが折れたりするタイプじゃない」と仲間に話しかけ、率先してジョークを言い、練習できないもどかしさを、うまく発散し、ケガとつきあってきた。

 これで3戦連続のフル出場も、完全に痛みがなくなったわけではない。30日の紅白戦後は、途中で離脱しトレーナーのマッサージを受けた。それでも「続けて出て、続けていいパフォーマンスを見せていきたい。どんどん点も狙いたい」と前を向いた。今年で30歳。ベテランの痛みを和らげるのはゴール、そして勝利しかない。【永野高輔】