<J2:札幌4-0岐阜>◇第20節◇22日◇札幌厚別

 エースの復活2発でホーム初連勝!

 J2札幌は岐阜から今季最多4得点を奪い勝利した。MF内村圭宏(28)が前半19分に決勝点となる先制ゴールを挙げると、2-0の後半27分に、だめ押しの3点目を決め道内リーグ150勝に導いた。4点差以上での勝利は11年8月17日千葉戦(札幌ド)以来2年ぶり、札幌厚別では06年9月27日徳島戦(6ー0)以来7年ぶりとなった。

 内村が不細工ながら味のある2発でよみがえった。0-0の前半19分、相手DFに当たりこぼれたボールに反応すると、岐阜GK高木をかわし右足でゴールに流し込んだ。「ラッキーな形でこぼれてきた」。4月7日岡山戦以来2カ月半、13戦ぶりのゴールで勢いづくと、後半27分には岡本がカットしたボールをゴール前で受け、落ち着いて左足で3点目を決めた。

 「だいぶ点を取れてなかったので、どんな形でもうれしかった」。この日、同じく2点を挙げた横野とゴール共演したのは11年7月9日の愛媛戦以来2年ぶりだった。場所は同じ札幌厚別。腰痛から復帰し同年初得点を挙げ、一気に昇格の立役者となった。そのときと同じ場所、同じ状況での復活弾。「前の選手は点を取ると気持ちが全然違う。(横野)純貴と2人で取れたのも良かった。切らさず続けたい」と前を向いた。

 “寺セラピー”が効いた。腰痛から復帰した5月19日東京V戦で途中出場もオフ明け22日の練習で体調不良を訴え再離脱。1日の横浜FC戦で戻りベンチ入りも出番なく終わった。「何とか点を取りたい」。2日、札幌市内で住職をする友人に頼み夜の寺にこもり約2時間、自分と向き合った。13日の広島との練習試合後は、報道陣に「オレの動き、どうですか」と逆取材した。自分を見つめ、外の声に耳を傾け、必死で全盛期の動きを取り戻した。

 副主将としてキャプテンマークをつけての得点は初。当然、発言にも責任感が帯びてきた。「この内容では上位やJ1は狙えない。みんな反省している」と、4発快勝も浮かれるところはない。自身初の厚別2ゴールを皮切りに、チームを2年ぶりの昇格へと導いていく。【永野高輔】