“鉄の男”がプレーオフ進出のキーマンになる。J2札幌は8日、練習生FWフェリペ(28)と、登録名「フェホ」で契約したことを正式発表した。期間は7月1日から14年1月1日までで、背番号は35。登録名はポルトガル語の「鉄」に由来するもので、ブラジル時代からのニックネームを採用した。登録ウインドー解禁となる20日の松本戦(松本平広域公園総合球技場)から出場可能になる。

 J2最長身197センチのストライカーが誕生した。フェホは6月19日から、札幌の練習に参加。同23日には「みんなのよい食JA親善大使」としてファンとの交流イベントに協力するなど、ピッチ外でも貢献してきた。正式に加入が決まり「チームの一員になれて感謝している。最大限の力と結果を出して、チームに貢献できるようトレーニングしたい」と意気込んだ。

 終盤戦進撃のカギを握る。前日7日の福岡戦ではFW内村、MF上里ら攻撃の核を欠きながら、20歳のトップ下、荒野のプロ初得点などで3発快勝。フェホは大きな体を生かしたドリブル突破も武器とするだけに、フィットすれば一気に得点力は増す。三上大勝GM(41)は「長身に目がいきがちだが、意外に自分で前を向いて仕掛けられる」と前線のターゲット役だけでなく、シュートまで運ぶ高い個人技にも期待した。

 背番号は験を担いだ。6月26日の練習試合、東海大北海道戦では、空き番号の35をつけて5得点。退団したテレの19番も空いていたが「日本で最初の試合で、いきなり5点も取れたのは幸運。その番号がいい」とクラブに進言し、実現した。登録名は、ブラジル時代から親しまれたニックネームを希望。鉄の体、鉄の意志でJ1昇格を目指すという意味も込め、決定した。

 欧州リーグの経験もありポルトガル語、英語、ロシア語と3カ国語を使いこなす国際派。まずは、登録初戦となる20日松本戦でのデビュー、初得点を狙う。【永野高輔】

 ◆フェホ(フェリペ・アルメイダ・フェリックス・クヴァシャンチラーヅェ)1985年4月20日、ブラジル生まれ。04年にブラジルの名門アトレチコ・パラナエンセでプロ生活をスタートし、ポルトガル、ロシア、ハンガリーリーグなども経験。昨季はブラジル・サンパウロ州リーグのグレミオ・ノボリゾンチーノでプレーした。家族は夫人。197センチ、92キロ。利き足は右。