柏GK菅野孝憲(29)が、あこがれの人に気迫のセーブを披露する。21日のアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)準々決勝第1戦でアルシャバブ(サウジアラビア)と対戦するが、相手指揮官は元ベルギー代表GKミシェル・プロドーム氏(54)。小学生のころからプレーをまねてきただけに、燃えないわけがない。18日の練習後「尊敬してグラウンドには入ります。でも、あこがれの人に会うためにやってるわけじゃない。同じ土俵に立つ以上、勝つしかない」と誓った。

 プロドーム氏が最優秀GKに選出された94年W杯米国大会で、その存在を知った。何げなくテレビを見ていると「すごいGKがいる」と衝撃を受けた。身長は180センチほどとGKとして小柄だが「とにかく動きがシャープ。セービングに無駄がなくてきれい」。菅野も少年時代から体格には恵まれず、反射神経と俊敏性で勝負するタイプ。大会のハイライトを録画し、その動きを練習に取り入れ、プレースタイルを築き上げた。

 「狙ってタイトルを取りに行く時に、どれだけ強い気持ちでいられるか。それがプレーに出ると思う」。まずは準決勝進出へ、持ち前の速く、無駄のないセーブとともに、気持ちの重要性を説く菅野。自らも伝説の守護神となり、ACL制覇を目指す。【千葉修宏】