札幌U-18MF前寛之とDF内山裕貴(ともに18)のトップチーム昇格が3日、内定した。今月末に正式発表となる。前はトップに在籍するDF前貴之(20)の弟で、クラブ初の兄弟選手誕生となる。兄同様、ボランチとサイドバックを兼務できるユーティリティープレーヤー。昨年12月のJユース杯日本一メンバーで、次代の札幌の中盤を背負う選手として期待されている。

 14年財前札幌を前兄弟で支えていく。寛之は高校2年時からトップチームの練習に参加。クラブでは早い段階から能力をチェックし、プロとしての資質を見極めていた。9月末までに家族や、学校側との話し合いも済ませ、内山と2人のトップ昇格が内定した。三上大勝GM(42)は寛之について「ボールの出し手として、いいものを持っている。ボランチとして体の強さもプロで十分通用するものを持っている」と話した。

 兄貴之は4月に右足首を手術した影響で、今季は出場2試合と苦しんでいるが、昨季は1年目ながらJ1で15試合に出場。来季も中盤、DFの両ポジションで期待されている。同一チームでの兄弟Jリーガーでは、かつてV川崎の三浦泰年、知良の「ヤスカズ」コンビが有名だが、札幌も初の兄弟選手「タカヒロ」コンビでアピールしていく。

 寛之は今後、札幌U-18メンバーとしてプレミアリーグと、昨季優勝したJユース杯の2大会を残しており、まずはユースの試合に専念。ともに優勝の可能を残しており、背番号10としてチームをけん引する。

 ◆前寛之(まえ・ひろゆき)1995年(平7)8月1日、札幌市生まれ。札幌上野幌東小4年で札幌U-12入り。08年札幌U-15、11年札幌U-18昇格。11年プレミアリーグイースト、12年Jユース杯優勝。13年U-18代表。現在、札幌白石高在学中。173センチ、68キロ。

 ◆同クラブに在籍した主な兄弟Jリーガー

 V川崎のDF三浦泰年とFW知良(96~98年。02、03年は神戸)、広島MF森崎和幸と浩司(00年~)、市原(現千葉)MF佐藤勇人とMF寿人(00、01年)、横浜MF山瀬功治と幸宏(05~08年)らがいる。チームが違う兄弟選手は、元横浜のMF遠藤彰弘とG大阪MF保仁、徳島MF太田圭輔と仙台MF吉彰らがいる。