勝負どころでニンジン作戦を導入!J2札幌が、明日6日の群馬戦(札幌厚別公園競技場)で選手への勝利給を倍増させることが4日、分かった。残り7戦でプレーオフ圏とは勝ち点4差の8位。今季を占うターニングポイントとして、1試合限定で導入し、2戦ぶり白星とラストスパートにつなげる。

 連敗が許されない大事な一戦で、クラブが動いた。三上大勝GM(42)は「ここを乗り切れないと、その先が厳しい。何とかここでチーム全体の士気を高められたら」と話した。札幌の勝利給は約10万円程度を見積もっているが今回、勝った場合には、2勝分のボーナスが支給される。

 経費削減の中、フロントとチームが協力して貴重な財源をひねり出した。今季はアウェー遠征17人と、経費節約のため規定の18人から1人減らしてきた。終盤に残した強化資金の使い方として、クラブは遠征メンバー1人増と勝利給増額の2つの手段を財前監督やコーチ陣に打診。チーム側では17人で戦えると回答し、勝利給増によるモチベーションアップ策に決めた。

 導入のタイミングも9月22日の長崎戦から状況をうかがっていたが、選手の意見を聞きながら、今節まで待った。「残り7戦。今、そういうものがあればチームが一体になれるという意見が出た。クラブとしても、選手の気持ちにこたえたかった」と同GM。FW内村圭宏(29)は「お金がない中で出してくれるのがうれしい。勝てよ、というメッセージ。しっかり結果で応えたい」と意気込んだ。