J2札幌のベトナム代表FWレ・コン・ビン(27)が来季も札幌でプレーすることが22日、濃厚となった。Jリーグでは14年からベトナム、タイなどパートナーシップ提携する東南アジア国リーグの選手獲得のため、他のアジア人枠とは分け「提携リーグ国枠」を新設する方針。クラブでは同枠設置が固まったことを受け、14年の戦力構想に加えた。今後、正式オファーを出し、ビン側と契約条件面の詰めを行う。

 札幌がリーグの新たな動きに歩調を合わせチームをつくっていく。当初、新カテゴリーのJ3限定採用を想定していた同枠だが、野々村社長らが積極的にリーグ側に訴えた経緯もあり、J1、J2に拡大されることになった。既にビンとの契約延長に向け水面下で交渉は進めていたが、新枠設置で残留が濃厚となった。

 今季は8月21日の愛媛戦の後半途中からデビューし、いきなり左CKでアシストをマーク。9月22日の長崎戦では初先発でJリーグ初得点を決めるなどベトナム代表52試合35得点の高い決定力を、Jリーグでも発揮してきた。クラブ幹部も「シュート力はチーム内でかなり高いレベル」と話しており、来季も攻撃のキーマンとして期待がかかる。

 さらに、J2最長身197センチのブラジル人FWフェホも来季、残留が確定した。今季はホーム初先発の8月11日の横浜FC戦でJ初得点を挙げて以降、5戦4ゴールと固め打ちするなど貢献。通常の外国人枠選手として14年戦力に入った。

 ◆Jリーグの外国人枠

 1試合における出場選手登録は以下の通り。(1)一般外国籍選手枠(欧州や南米などの選手)3人、(2)アジアサッカー連盟加盟国選手枠(アジア枠)が1人、(3)準外国籍選手枠(日本で生まれ、日本の義務教育中か修了した者。または外国生まれで日本の高校または大学卒業者)が1人まで。11月のJリーグ理事会で正式決定予定の業務提携リーグ枠が来季から加わると、最大6人の外国人が同じ試合に登録できる。