対話力を磨いて、J初ゴールを狙う。左膝側副靱帯(じんたい)損傷で離脱していたJ2札幌の新戦力FW工藤光輝(22)が、熊本合宿3日目の5日、約1週間ぶりに全体練習に復帰。「痛みはないけど、しっくりこない」と言いながらも、ゲーム形式の練習でシュートを決めるなど、軽快な動きで存在をアピールした。

 大学サッカー界きっての点取り屋だった。阪南大では12年総理大臣杯、全日本大学選手権、13年デンソーチャレンジカップとアマチュアの全国舞台で得点王に輝いたが、札幌の特別指定選手として出場した昨年のリーグ戦5試合では無得点に終わった。財前監督は「自分勝手に動くのではなく、周りに認めてもらわないとボールは来ない。(持ち前の)ゴール前での集中力を、うまく引き出せれば」ともくろむ。

 そこで、本人が重視していくのがチームメートとの対話になる。「練習中から細かく話をして、パサーの特徴を把握することが重要。信頼関係は短時間で構築できないけど、去年、一緒にやらせてもらった人ばかりなので、その経験を大事にしたい」。期待の即戦力は、初のキャンプでゴール量産の布石を打つ。【中島宙恵】