J2札幌の財前恵一監督(45)が異例となる4季連続の主将指名で、チーム全体の奮起を促した。熊本合宿4日目の6日、体調不良から全体練習に復帰しフルメニューをこなしたMF河合竜二(35)が、今季キャプテンに決定。加入初年度から、4年連続で重責を担うことになった。

 信頼は、揺るがなかった。「変える選択肢もあったけれど、去年同様に、こちらからお願いした」と話す財前監督の表情は、どこか険しい。「竜二が自信を持って“コイツは”と推せる(主将に推薦できる)選手が出てくれば良かったんでしょうけど、そういう選手がいなかった」。若手の中で立候補する選手もいたが、まとめ役としての素養がまだまだ足りないと判断。若返りが進むチームの中で、精神的支柱として河合に匹敵する選手が現れなかったことを、少しだけ残念がった。

 河合自身は「去年、一昨年の悔しさがあるし、懸ける思いがある。自分が引っ張って、戦う姿勢を見せれば、みんな付いて来てくれると信じている」と、指揮官の思いを意気に感じている。6月には浦和時代の後輩にあたる小野が合流予定。世界を知る男と若手とのパイプ役としても適任だ。「(J1復帰を決めた)3年前の状況を再現できるよう、サポーターが待っている。全員で同じ方向へ向かって行きたい」と歓喜へ導く決意をにじませた。【中島宙恵】