10番の本拠地1号で昇格への流れをつくる!

 J2札幌は今日9日、札幌ドームでのホーム開幕戦で山形と対戦する。2戦連続先発が濃厚なMF宮沢裕樹(24)は、前回昇格した11年にホーム初得点を皮切りに、J1昇格に貢献した。相手指揮官は09年から4シーズン指導を受けた石崎信弘監督(55)。恩返しの一撃で開幕2連勝につなげ、チームをJ1への軌道に乗せる。

 験のいい宮沢弾で、難敵から勝ち点3を奪う。札幌ドームでの8日の最終調整後、宮沢は先発復帰するベテラン日高と並んで体をほぐし、ホーム開幕に備えた。磐田戦はフル出場し、開幕勝利に貢献。大事な2戦目に向け「アウェーで勝っても次で負けたら去年と同じ。今度こそ勝って、開幕ダッシュしたい」と13年ぶり開幕2連勝を掲げた。

 守備に追われた磐田戦とは違い、ホーム初戦は積極的に点に絡んでいく。「ホームだし、ゴールもアシストも狙いたい」。11年5月4日、札幌ドームでの草津戦では劇的なロスタイム決勝弾を決めた。同年、開幕3戦無得点未勝利(1分け2敗)だったチームにスイッチを入れ、昇格につなげたのが宮沢だった。それ以来、3年ぶりホーム1号で、昇格イヤーを再現する。

 相手は、プロ2年目から4年間指導を受けた石崎監督。もともとはFWも「視野が広く危機察知能力が高い」とボランチにコンバートしたのが、同監督だった。「選手として幅を広げてもらった。今回は対戦相手として嫌な選手と思わせるようなプレーをしたい」。同監督の下、リーグ戦128試合に出場した。育ててくれた恩師を困らせるのが、宮沢流の恩返しだ。

 「前からプレスにくるので、押されて下げると勢いづかせてしまう。前に前に出てボールを取る」。徹底的にたたき込まれた石崎流は、まだ頭に焼き付いている。教えを逆手に取り、ゲームの主導権もゴールも奪いにいく。【永野高輔】