J2札幌に新加入した元神戸FW都倉賢(27)が、16日の湘南戦(BMWスタジアム平塚)でベンチ入りすることが濃厚となった。12日、札幌・宮の沢白い恋人サッカー場で行われた全体練習に午前、午後ともフル参加。ミニゲームで得点を挙げるなど、攻守にキレのある動きを披露した。財前恵一監督(45)は週末の遠征帯同を示唆。湘南戦で札幌デビューを飾る可能性が出てきた。

 ミニゲーム開始からわずか5分後だった。都倉は背後からのパスを足もとで受けると、振り向きざまに左足を振り抜いた。GKも反応できない強烈なシュートが、ゴールに突き刺さった。練習での動きの良さに首脳陣の評価も一気に高まった。財前監督は「動きもいいし、(帯同の)可能性は高いかと思います」と明かした。先発かベンチスタートかは微妙だが、16日湘南戦でのデビューが見えてきた。

 チーム合流から1週間足らずだが、4日の帰国まではデンマークのクラブチームで練習に参加。体はすでに実戦モードだ。ミニゲームでは前線から身ぶり手ぶりを付けながら大声で叫び、ボールをもらった。「自分が(試合に)出れば変化をもたらせる。練習からチームを引っ張りたい」と、自信満々に言った。

 経験が自信の裏付けだ。川崎FでMF中村、神戸でDF宮本氏の日本代表経験者と一緒にボールを追った。「プレーだけでなく、普段の立ち居振る舞いも見て育ってきました。札幌の若手選手も、僕のいいところ、悪いところを見て学んでもらえれば」と、自らがお手本になるつもりだ。

 10日が「生まれて初めての雪によるオフ」(都倉)となり、翌日の休養日と合わせて2連休となった。帰国後にチームとの契約があり、札幌ドームでの練習にも2日間参加した。「緊張しっぱなしの中の2連休で体を休めたので、リフレッシュできた」いう。妻と一緒に札幌での新居探しも開始。「まだ道を歩けば滑ってばかりですけど、住む場所はほぼ決まりました」と笑った。

 すでに9日のホーム開幕戦を観戦、チーム状況も把握できた。湘南のイメージもある。札幌への選手登録は申請中だが問題なくクリアできる見込み。「(札幌は)若いチームだし、まだのびしろがある。湘南もJ2では上位の力がありますが、十分戦える」。チームに欠けていた高さで、新風を吹き込む。【中島洋尚】