<ACL:川崎F2-1ウエスタンシドニー>◇1次リーグH組◇1日◇等々力

 川崎Fは「リオ世代」MF大島僚太(21)の痛快な一撃で、ウエスタンシドニー(オーストラリア)に逆転勝利を飾った。後半43分、推定約20メートルの右足ミドルで決勝弾。16年リオデジャネイロ五輪の日本代表候補で、ボランチとして定着してから得意とするミドルシュートがさえ渡ってきた。視察した日本代表ザッケローニ監督への「バースデー弾」にもなり、チームも1次リーグ突破へ前進した。

 目の覚めるような一撃だった。大島は中央で大久保からパスを受けた瞬間、ゴールまでの視界が開けた。「スペースが空いてるな。もう、打っちゃおうと」。すかさず右足を振り抜くと、弾丸と化したボールはゴール左へ。横っ跳びも間に合わなかったGKコビッチは芝をたたき、マークに遅れたMF小野は夜空を見上げて唇をかんだ。

 高卒4年目のホープが、自慢のミドルでヒーローとなった。昨季途中からボランチのレギュラーを任され、視野が広がった。「攻撃でも守備でもいろいろ見えるようになった」。それが積極的なミドル打ちにつながっている。この日も前半13分に右足で打った。GKの好セーブに阻まれたが「あれで良い感触があった分、後半も良い感じで入れた」と振り返った。

 2年後のリオ五輪を目指す手倉森ジャパンでも、ボランチの筆頭候補。3月の国内合宿では都内の施設で他競技のアスリートと遭遇し、「いつか五輪の選手村に行ってみたい。あこがれます」と初々しさも見せていた。MF中村と同じタイプでプロ入り時は「憲剛2世」と呼ばれたが、今では本家顔負けのパス技術や連係力を見せ、チームに欠かせない存在となっている。

 この日が61歳の誕生日であったザッケローニ監督はこの一撃を見ていた。それでも大島は「代表のことは意識してない。川崎でやることしか考えてない」と言った。【由本裕貴】