元日本代表MF稲本潤一(35=川崎F)の加入で、J2札幌の戦術はバリエーション豊富になる。特にDFでもボランチでも起用できる点は貴重だ。DFなら中盤の小野と、元日本代表センターライン構成が可能。配球センスの高い2人がいることで、スピードがあるナザリト、都倉、内村らの得点機会も増える。

 1ボランチとして起用し、トップ下を2人置く3-1-4-2のシステムにすることも可能。DFの河合、ボランチ稲本、トップ下小野と、経験豊富な3人のベテランがセンターラインを構成し、DFからのビルドアップ精度が上がる。

 ダブルボランチに起用すれば、左MF小野との“日韓W杯型”にもできる。日本を世界16強に導いた中盤で、J2で多い守備を固めてくるチームの壁をこじ開ける。当時の代表2トップ(鈴木、柳沢)の役割は、フィジカルが強いナザリト、相手DFとの駆け引きがうまいスピード系の内村に重なる。トップ下に守備力の高いMF宮沢を置けば、前線から追う守りの精度も上がり、安定感がある布陣となる。