リーグ最多得点でJ1に導く!

 J2札幌の新加入選手会見が21日、札幌市内で行われ、昨季岐阜で17得点を挙げたFWナザリト(24)が、J2得点王を目標に掲げた。札幌では過去、97年バルデス、00年エメルソン、01年ウィルと3人のリーグ得点王を輩出し、J1だった01年以外、いずれもリーグ優勝での昇格を果たしている。新得点源がクラブ史上14年ぶりの得点王となり、4シーズンぶりのJ1昇格へと、けん引する。

 コロンビアから来た若き大砲が、札幌J1復帰のキーマンになる。昨季はリーグ17位の岐阜で34試合17ゴールと爆発。今季のナザリトは、さらにその上を狙う。目標を聞かれ「17ゴールを挙げた昨年以上の活躍を目指す。得点ランクは当然、1位を目指す。FWとしてゴールを量産して、札幌のJ1昇格に貢献したい」と堂々、リーグ最多得点を宣言した。

 可能性は十分にある。昨季14ゴールを挙げたチーム得点王のFW都倉が残留。さらに13年にチーム最多17得点を挙げた内村も健在だ。絶対的な岐阜のエースだった昨季よりもマークが外れるだけでなく、MF小野、稲本、砂川ら経験豊富なパサーも多く、チャンスは確実に増える。「能力の高い選手が多いしグループとして強い札幌を見せたい」。レベルの高い組織の中で、高さ、速さ、強さともに、より際立たせていく。

 待望の点取り屋の獲得だ。三上大勝GM(43)が08年に、MFダニルソン(現名古屋)獲得のためコロンビア視察した際、目に留まった。「当時はまだ10代だったが、そのときから、かなり注目されていた。岐阜に入って以降も継続してプレーをチェックしていた」と言う。過去、97年のバルデス、00年のエメルソンら、絶対的な外国人FWがいた年は、圧倒的な強さでJ2優勝、J1昇格を決めた。ナザリト加入で、そんな強い札幌を復活させる。

 コロンビア発の便が機材故障のため、出発が遅れた。守備の主役が稲本なら攻撃はナザリト。主役を遅れさせまいと、クラブが航空会社に掛け合い、コロンビア-ドイツ-成田のルートを急きょ、コロンビア-メキシコ経由でドイツ-成田という別ルートに変え、スクランブルで会見に間に合わせた。「札幌は強く伝統あるクラブ。2部ではなく1部にいるチーム。みんな力を合わせて1位を目指す」。クラブの熱い期待を背負い、札幌を07年以来8シーズンぶりリーグ制覇に導く。【永野高輔】

 ◆札幌の歴代リーグ得点王

 97年にFWバルデスがJFL29試合で40得点を挙げ、クラブ初のリーグ得点王に輝く。00年にはFWエメルソンがJ2で34試合31ゴールを挙げ、リーグ最多得点。01年のFWウィルはJ1で26試合24ゴールを挙げ得点王になった。J1得点王はウィルのみ。97、00年は、いずれもリーグ優勝で昇格している。