ハードな合宿も楽しく乗り切る!

 J2札幌の新加入MF稲本潤一(35)が、明日26日から始まる沖縄1次合宿に向けたテーマを掲げた。24日、チームメートとともに札幌市内の北海道神宮で必勝祈願。国内外9クラブでプレーした経験を元に、フィジカル中心の1次合宿は「苦しむのではなく、楽しみたい」と、肩の力を抜いて、土台作りに励む。

 17歳でJデビューし、W杯を3度経験したベテランン35歳は、体と語り合いながら、ベストの状態に仕上げる。稲本ら全選手には、22日に沖縄合宿の詳細スケジュールが知らされた。26日の開始から2月15日の最終日まで「7勤1休」のペースで練習が組まれる。しかも最初の2週間は週4日、午前午後の2部練習にするなど、一気に負荷をかけていくことになる。

 そんなハードな日程に「まずは沖縄で体づくりが中心になる。厳しい練習になるが、そういうことを苦しむのではなく、楽しみたい」と持論を展開した。プロ19年目、今年で36歳になる。10代や20代とは、疲労の蓄積度も変わってくる。当然、トレーニングには100%の力で臨むが、ただつらいと思って取り組むのでは体が力み、ケガにつながる。メンタル面から、前向きに取り組めるよう常に「エンジョイ」をモットーに21日間を乗り切る。

 新任の大塚フィジカルコーチは「年齢層がベテランと若手と二極化している。若手は鍛え、ベテランはコンディションを整え、ケガを少なくパフォーマンスできるようにしていきたい」と話している。稲本も「ケガをしないように自分のペースで」と言う。締めるときは締め、休むときは休む。体の状態を慎重に見定め、メリハリをつけ、開幕への準備を進める。

 古巣川崎Fと2月9日に初実戦を行うことが決まり、この日は、北海道神宮での必勝祈願に臨み、神前であらためてJ1昇格を誓った。「これでみんなが同じ方向に向ける。身が引き締まる思い」。イングランド、トルコ、ドイツとフィジカルの強さを求められるリーグでプレーしており、体の強さには自負がある。年を重ねた分、体が発する声も聞き分けられる。巧みにギアを上げ、3月8日の開幕栃木戦に合わせていく。【永野高輔】