J2札幌MF古田寛幸(23)が4日、“どん底”からの復権を誓った。13年は3月に左膝外側半月板損傷で、リーグ戦残り8カ月を棒に振り、14年は8月からJ2讃岐に期限付き移籍と、最近2シーズン、札幌では結果を残せなかった。沖縄合宿は初日からフルメニュー消化中で、定位置奪回に向け「しっかり体をつくり、今季こそケガなく1年間、フルで貢献したい」と意気込んだ。

 昨季半分はJ2残留が目標の讃岐の選手としてプレーした。専用練習場はなく、3カ所のグラウンドを渡り歩き、人工芝で練習することもあった。「あらためて恵まれた環境にいたことが分かった。この経験を生かしたい」。クラブハウスもない、厳しい環境で培ったハングリー精神を糧に、もう1度、故郷札幌でレギュラーの座をつかみ取る。

 オフは12月10日から約1カ月半、スペインの育成機関「ラマンガ・クラブ

 ハイパフォーマンスセンター」に短期留学。「自主トレの一環でもあった。海外で長期間生活することで学ぶことは多かった」と言う。スペイン人選手にまじって合宿。週1回の練習試合はスペイン3部などと5試合、すべてにフル出場し、感覚を維持してきた。

 この日の9対9の戦術練習は3トップ右でプレー。「今季の合宿は、かなりきつい。でもこれをやっていかないとシーズンを乗り切れないので」と気を引き締めた。沖縄、熊本で徹底して追い込み、さらにキレを増していく。【永野高輔】