イングランド2部で2位につけるボーンマスが、クラブ125年の歴史の中で、初めてプレミアリーグに昇格することが“事実上”決まった。

 27日の試合でボルトンに3-0で勝利。勝ち点を87点に伸ばした。今季残り1試合で、3位ミドルスブラとは勝ち点3差になった。

 仮に最終節で勝ち点で並ばれても、両クラブの得失点差は19点差もあるため、ボーンマスがプレミアリーグに自動昇格できる2位以内がほぼ決まったというわけだ。

 それでもクラブOBでまだ37歳という若さのエディ・ハウ監督は満足しない。

 現在、首位ワトフォードとは勝ち点わずか1差。BBCラジオのインタビューで「我々は世界のサッカーの中でも最もハードなリーグで戦っている。もちろんタイトルがほしい」と、優勝を手土産にプレミア昇格を果たしたい意向を示した。

 そんなボーンマスだが、数年前にはチーム自体が消滅する危機におちいっていた。

 02-03年を4部で戦ったチームは、翌シーズン3部に昇格。その後は3部生活が続いたが、08年2月に400万ポンド(約7億4200万円)の負債を抱えて破産申請を行った。

 そのため勝ち点10点を剥奪され、再び降格の憂き目を見た。翌08-09シーズンは勝ち点マイナス17点で4部参加を許されたものの、チームは消滅寸前だったという。

 クラブに本当の転機が訪れたのは3部で戦っていた11年。ロシア人の富豪マキシム・デミン氏がボーンマスの株式の50%を購入した時だ。

 ハウ監督も「マキシムが戦力や施設を充実させる力を我々に与えてくれた。このレベルのリーグでは選手が頑張るだけでは勝てない。クラブへの投資が必要だ」と感謝している。

 ボーンマスのニックネームは「チェリーズ」。チームカラーの赤をさくらんぼの色に見立て、そう呼ばれるようになった。

 そのチェリーは俗語として、処女や童貞のことを指すこともある。125歳の童貞くんが、プレミアリーグを初体験するなんて、ちょっと出来すぎな話だと思いませんか?