マンチェスター・ユナイテッド(イングランド)が敵地でセルタ(スペイン)に1-0と先勝した。故障者続出で台所事情が苦しい中、後半22分に19歳FWラッシュフォードがFKを直接蹴り込んで決勝点とした。マンUが欧州カップ戦の決勝トーナメントでスペイン勢に勝つのは9年ぶり。決勝に進出してアヤックス(オランダ)-リヨン(フランス)戦の勝者を下せば初優勝で、欧州カップ戦3冠達成となる。第2戦は11日。

 若きストライカーが「赤い悪魔」のピンチを救った。序盤から何度も決定機がありながら決め切れない中、ラッシュフォードは相手ファウルを誘ってペナルティーエリアやや右前でFKを獲得。右足で蹴った球は5人の壁を越え、カーブを描いてGKの手の届かない左隅に吸い込まれた。

 モウリーニョ監督は試合後、ラッシュフォードが毎日のように30分の居残りFK練習をしていたと明かした。「彼は努力し続けているし、とても成熟している。年齢は関係ない。大事なのはクオリティーの高さだ」とその力を認める。

 これまで絶対的エースのイブラヒモビッチの陰で出番は限られていた。イブラヒモビッチは準々決勝第2戦の後半終了時点で右膝負傷のため退き、長期離脱となった。その延長戦で決勝点を奪ったのもラッシュフォード。しっかりエースの穴を埋めている。

 マンUが大舞台でスペイン勢に勝つのは08年欧州CL準決勝第2戦で1-0とバルセロナを下して以来。今大会初制覇なら3回優勝の欧州CL、91年に制した欧州カップウイナーズ杯(現在は欧州リーグに統合)に続く欧州3冠になる。これは史上5クラブ目の名誉。鍵を握るのは成長著しい19歳だろう。