[ 2014年2月21日9時34分

 紙面から ]帰国したスキージャンプ葛西は出迎えた人たちにメダルを触ってもらう(撮影・松本俊)

 サプライズに、悲鳴に似た歓声が上がった。20日、成田空港到着ロビー。ソチから帰国したジャンプの葛西紀明(41=土屋ホーム)は、個人ラージヒルの銀メダル、団体の銅メダルを、数百人詰めかけたうちの最前列のファンに差し出した。「いろんな方の支えで、2個もメダルが取れた。だからみんなにさわっていただきたかった」。当然さわったファンは歓喜した。

 葛西は「これからもメダルは持ち歩きたい」と今後もメダルとの“お礼行脚”を続ける考え。帰国の機内でも乗客にさわってもらったといい「もう傷もついちゃってるんですけど、そのたびに磨きに出せばいい」と事もなげに話した。

 大会前の「メダルの際は帰国便をビジネスに」という葛西の熱望に応え、全日本空輸は団体銅の伊東、竹内、清水もあわせビジネスシートを準備。清水が寝ぐせがつくほど熟睡するなど、チームは25日にスウェーデンで再開するW杯に備え、負担なく移動できた。

 葛西は「41歳でメダル2つ。(これまでの海外での愛称)カミカゼを卒業して、レジェンドになってもいいかな?」と笑ってみせた。いったん札幌に戻るが、再出国までの中2日は会食などの予定がビッシリ。「今晩は焼き肉で、明日の昼はすし、夜もすし(笑い)。次のW杯でダメだったら、食べ過ぎってことです」とニヤリ。一方で「テレマークが決まったら金メダルだったとか、悔しさは残ってる。次戦では修正したい」とも言った。【塩畑大輔】