6種目で今季世界最高が誕生するなど、好記録が続出する大会となった。なかでも男女棒高跳びでは、翌5日に財政緊縮策の国民投票を控えたギリシャ勢が活躍して話題となった。

 女子棒高跳びはニコリータ・キリアコプールー(29=ギリシャ)が、4メートル83の今季世界最高をただひとり成功。4年前の世界陸上金メダリストのファビアナ・ムレル(34=ブラジル)らの強豪を抑えて優勝した。

 2012年ロンドン五輪、2年前のモスクワ世界陸上とも予選落ちの選手だが、6月のダイヤモンドリーグ・ニューヨーク大会で4メートル80と4年ぶりに自己記録を更新していた。

「今日の優勝は8月の北京世界陸上に向けて大きな自信になったわ。素晴らしい記録だけど、もっと高く跳べるとも感じたの」

 棒高跳びは男子でも、ギリシャのコンスタンティノス・フィリピディス(28)が5メートル91のギリシャ新記録で優勝。世界記録保持者のルノー・ラビレニ(28=フランス)らを破った。

 男女100メートルはジャマイカ勢が快勝した。女子はモスクワ世界陸上金メダリストのシェリー・アン・フレイザー・プライス(28)が10秒74の今季世界最高で危なげのない勝利。男子は前世界記録保持者のアサファ・パウエル(32)が9秒81で、ヨーロッパ新記録の9秒86をマークしたジミー・ビコー(23=フランス)を抑えた。

 また男子400メートルでは、ウェイド・ヴァン・ニーケルク(22=南アフリカ)が43秒96のアフリカ新記録で優勝。昨年5月から続いていたロンドン五輪金メダリストのキラニ・ジェームズ(22=グレナダ)の連勝を「9」で止めた。

 男子走り高跳びに出場した北京世界陸上代表の戸邊直人(23=つくばツインピークス)は、2メートル24で9位だった。

◆今季の女子棒高跳び

 5メートル06の世界記録保持者で、前回の世界陸上モスクワ大会でも優勝したエレーナ・イシンバエワ(33=ロシア)が出産のため休養中。6月の全米選手権に4メートル82で優勝したジェニファー・サー(33=米国)、ダイヤモンドリーグ・ニューヨーク大会に4メートル80で優勝したムレル、そしてパリ大会で今季世界最高のキリアコプールーの3人が、今季4メートル80以上を跳んでいる。

 日本勢は我孫子智美(27=滋賀レイクスターズ)の4メートル30が最高で、世界陸上標準記録の4メートル50を誰も破っていない。