男子20キロ競歩の世界記録保持者、鈴木雄介(27=富士通)が、世界選手権北京大会(8月)に向けた調整として、同5000メートル競歩に出場。18分37秒22の日本新記録を樹立して、優勝した。

 レース序盤から先頭を歩いた。従来の記録(18秒51秒93)を持つ同僚の高橋英輝(22)とマッチレースを展開。ラスト800メートルでペースを上げて、高橋を突き放した。

 世界記録保持者の実力を披露して「記録は狙っていなかったが、今の状況を見るために、本気でいった。また調子を上げていきたい」と手応え十分。世界選手権への金メダルに向けて視界良好だ。

 ただラストの直線では、いつも冷静な世界記録保持者もぎょっとした。フォームを崩しながら猛烈な追い上げをみせた高橋に気づいて、驚いた。「ラストは少し抜いたところで、英輝(高橋)に一気に迫られた。結構、離していたと思っていたのでびっくりした」。

 鈴木と0秒38差の18分37秒60で2位に入った高橋は「追いつけたら追いつきたいなと思って。無理やり、歩いた感じ。最後は意地になってあんなフォームになりました…」と、乱れたフォームをちょっぴり反省していた。