2001年から12年の間に開催された陸上の五輪、世界選手権の中長距離種目で3分の1に当たる146個のメダルに、ドーピングが疑われる検査結果が出ていることが2日、分かった。英紙サンデー・タイムズとドイツ公共放送が報じた。55個の金メダルも含まれている。

 英BBC放送などによると、国際陸連が約5000人から採取した約1万2000件の血液検査データが内部告発で漏れた。世界有数の専門家2人がデータを再調査し、800メートルからマラソンまでの種目で800人以上の選手に異常値があった。五輪2大会連続で男子短距離3冠のウサイン・ボルト(ジャマイカ)や12年ロンドン五輪男子長距離2冠のモハメド・ファラー(英国)は含まれていないという。

 世界反ドーピング機関(WADA)のリーディー委員長は「数字を聞いて驚いた。新たな疑惑に困惑している。早急に厳重な調査に乗り出す必要がある」と述べた。昨年12月にはロシアの組織的ドーピング疑惑が報じられ、WADAのパウンド元委員長を責任者とする第三者委員会が今年末をめどに調査報告書をまとめる方針になっている。