ビッグハンドでアンカーつかむ!? 陸上の世界選手権(22日開幕、北京)に臨む男子短距離勢が11日、山梨県内で練習を公開した。日本の史上最年少代表となった16歳のサニブラウン・ハキーム(東京・城西高)は400メートルリレーの4走を想定し、日本伝統のアンダーハンドパスに初挑戦。「不安だったけど難しくない」と好感触を口にした。

 これまで一般的なオーバーハンドパスの経験しかない。代表でもどちらか選択肢はあったが、日本陸連の苅部短距離部長が「代表なら、将来的にやることになる」と今後の期待も含めて下からに決定。本番まで短期間の挑戦だが、「彼の手は大きいから」と利点を説いた。

 サニブラウンのスパイクは30センチ。同様に手もでかい。3走を務めた大瀬戸も「バトンを渡しやすい」、本人も「取りやすい」とニコリ。この日は親指と人さし指ではなく、中指と人さし指の間に受けたバトンが入る初挑戦ならではのミスもあったが、大きな手で落下を防いでみせた。

 北京を走るのは代表6人のうち4人。同短距離部長は「(選手選考は)フラット。調子も見ます」とし、固定はまだ。規格外の体を生かせば、「世界のスターと走りたい」と望む最終走者が見えてくる。【阿部健吾】