英BBC放送は9日、リオデジャネイロ五輪の男子マラソンで、自国政府による「圧政への抗議」のポーズを取りながらゴールしたエチオピアの銀メダリスト、フェイサ・リレサ選手(26)が米国入りしたと伝えた。エチオピアでは迫害される恐れがあると話しており、米国で亡命申請するとみられる。

 エチオピアでは昨年11月以降、南部オロミア州などでオロモ人らが政府による差別に抗議するデモを活発化。国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチは治安当局が抗議活動を弾圧し、400人以上が死亡したと推定している。

 オロモ人のリレサ選手はリオ五輪の男子マラソンで、額の前で両手を交差させるポーズをしながらゴールイン。世界中で抗議行動への支持が広がり、リレサ選手やその家族らを支援するため、インターネットを通じて16万ドル(約1600万円)以上の募金が集まった。