<7月前半の陸上競技展望・国内編>

 ロンドン五輪代表選手たちが五輪前最後の試合に出場する。

 札幌国際ハーフマラソンには藤原新(30=ミキハウス)と山本亮(28=佐川急便)の男子マラソン代表2選手がエントリーしている。

 序盤の下り坂がコースの特徴。招待選手のJ・ダビリ(27=小森コーポレーション)とM・マサシ(26=スズキ浜松AC)ら外国人選手は、5キロを14分20秒を切るようなハイペースで通過するだろう。ロンドン五輪本番も高速レースが予想されるだけに、今大会のハイペースにどう対応するかが見どころになる。

 藤原は14分20秒くらいまでなら外国勢につけるかもしれない。山本は外国勢にはつかず、後半に追い上げる展開か。

 佐藤敦之(34=中国電力)の出場がアクセントになる。北京五輪マラソン代表でハーフマラソンでは1時間00分25秒の日本記録保持者。故障の影響でロンドン五輪選考レースに間に合わなかったが、現役のマラソン選手では一番のスピードを持つ。佐藤が以前の状態に戻っていれば、代表コンビにとって格好の目標となる。

 ダビリとマサシは1時間0分台のタイムで優勝争いをしそう。日本勢は勝負できそうにないが、優勝者から1分以内で走れば好タイムと評価できる。五輪代表コンビは1時間2分台なら順調な調整といえそうだ。

 大阪府選手権の特別レースとして男子4×100メートルリレー、木南道孝記念招待種目として男子110メートル障害と女子100メートル障害が行われる。

 男子男子4×100メートルリレーには日本代表チームが出場。27日には緊急でメンバーがナショナルトレーニングセンター(東京)に集合して、バトンパスの練習も行った。38秒中盤を出せるようだと、五輪本番で38秒30以内(5位以内相当のタイム)も期待できる。

 女子100メートル障害には五輪代表の木村文子(24=エディオン)が出場する。今季13秒04の日本歴代3位をマークして勢いがある選手。風などの条件に恵まれれば、13秒00の日本記録更新も可能性がある。

 南部忠平記念にもロンドン五輪代表が多数出場する。

 女子100メートルの日本記録(11秒21)保持者、福島千里(24=北海道ハイテクAC)にとっては地元の大会。だが、今季の福島は腰の痛みで練習が不十分だったり、レース前に痙攣を起こしたりして会心の走りができていない。

 6月24日の布勢スプリントでは11秒42にとどまった。レース後の福島は「できていた(速く走っていた)感覚は覚えているので、それを信じてやるだけ」と話した。南部記念も“感覚”を取り戻すためのレースという位置づけだが、11秒30を切るようだと、五輪本番への期待が高まる。

 その他では村上幸史(32=スズキ浜松AC)と海老原有希(26=スズキ浜松AC)の、五輪本番で入賞が期待できる男女やり投げコンビが出場。村上は81メートル、海老原は59メートル以上なら順調といえそうだ。【7月前半の主な陸上競技大会】7月1日:札幌国際ハーフマラソン(札幌)7月1日:大阪府選手権特別レース(長居)7月8日:南部忠平記念(札幌市円山)