陸上の兵庫リレーカーニバルが21日、神戸市ユニバー記念競技場で開催される。8月のモスクワ世界陸上選考競技会を兼ねる日本グランプリの第1戦で、トラック&フィールドの本格的な幕開けを告げる大会。日本のトップ選手が参加するグランプリは男女9種目が行われる。

 男女1万メートルにマラソンの世界陸上代表候補が出場する。男子には東京マラソン日本人1位の前田和浩(32=九電工)、女子には大阪国際女子マラソン日本人2位の渡辺裕子(25=エディオン)がエントリーしている。

 前田は2007年の世界陸上はトラックで代表になった経歴の持ち主。以前のようなスピード練習はできないようだが、28分に迫るタイムを出せばマラソンへの自信になる。一方の渡辺はスピードが課題。31分台を出して次のマラソンに生かしたい。

 世界陸上標準記録突破が期待されるのは女子走り幅跳び。桝見咲智子(28=九電工)は自己記録の6メートル65が世界陸上B標準。昨年後半に三段跳びに取り組んだことで、踏み切りの感触が良くなったという。

 日本記録(6メートル86)保持者の井村久美子(32=イムラアスリートアカデミー)はすでに32歳だが、改めて現役続行と世界陸上を目指すことを表明した。今季から夫の井村俊雄さんとともにイムラアスリートアカデミーを開設。環境の変化が競技に勢いをつけることもある。

 男女の3000メートル障害は、昨年の日本選手権を制した女子の荒井悦加(31=エディオン)、男子の山下洸(24=NTN)がB標準突破に挑戦する。

 前日の20日開催のアシックスチャレンジ男子1万メートルは、7月のユニバーシアード代表選考レース。27分台の記録を持つ大迫傑(21=早大)を筆頭に、窪田忍(21=駒大)、設楽悠太(21=東洋大)、服部翔大(21=日体大)ら、箱根駅伝を沸かせた学生ランナーが多数出場する。

 ユニバーシアード2連勝がかかる大迫は負けられないレース。窪田、設楽も27分台を目標としている。箱根駅伝山登りの5区で区間賞を獲得し、母校を優勝に導いた服部が、トラックでどんな走りを見せるか。