国内ではトラック&フィールドの秋シーズン全国大会第2弾、社会人トップ選手の大半が出場する全日本実業団対抗選手権が開催される。海外では秋のマラソンシーズンが開幕。好記録が出ることで知られるベルリンマラソンが行われる。

 ベルリンマラソンは2007年と08年にハイレ・ゲブレシラシエ(40=エチオピア)が世界新を連発し、2011年にはパトリック・マカウ(28=ケニア)が現世界記録の2時間03分38秒をマークした。女子では高橋尚子が2001年に世界で初めて2時間20分切りに成功し、渋井陽子(34=三井住友海上)と野口みずき(35=シスメックス)が日本記録を更新した。平坦なコースで記録を量産している大会である。

 男子ではマカウに次ぐ世界歴代2位を持つウィルソン・キプサング(31=ケニア)と、5000メートルで世界歴代4位を持つエリウド・キプチョゲ(28=ケニア)が注目されている。

 キプサングは2年前、マカウがベルリンで世界新を出した1カ月後に、2時間3分42秒と4秒差に迫った。昨年4月のロンドンマラソンで2時間04分秒44で優勝、ロンドン五輪で銅メダルと安定感ではマカウを上回る。

 2003年パリ世界陸上5000メートル金メダルのキプチョゲは、12分46秒53と圧倒的なスピードを誇る。28歳と遅めの初マラソンだったが、今年4月のハンブルグに2時間05分30秒で優勝して世界を驚かせた。

 後半でペースアップするネガティブスプリットを刻むの世界では普通なので、中間点を1時間2分前後で通過すれば世界記録更新が期待できる。

 女子ではフローレンス・キプラガト(26=ケニア)と地元のイリーナ・ミキテンコ(41=ドイツ)の2人が2時間19分台の記録を持つが、キプラガトは今年4月のロンドンで6位と不調。ミキテンコは2月の東京で3位で、年齢的に見てもピークは過ぎている。

 混戦となり、2時間22~23分台の優勝記録に落ち着くのではないか。

 日本勢は男子の石川末広(34=Honda)と小林光二(24=SUBARU)、女子の中里麗美(25=ダイハツ)と早川英里(31=TOTO)が出場する。

 2年前のテグ世界陸上代表だった中里は、その後の選考レースでは低迷している。後半のスタミナはモスクワ世界陸上4位となった先輩の木崎良子(28=ダイハツ)をしのぐ。プレッシャーのかからない海外で立て直したい。【9月後半の主な陸上競技大会】9月20日~22日:全日本実業団対抗選手権(埼玉県熊谷スポーツ文化公園陸上競技場)9月29日:関東大学女子駅伝(千葉県印西市)9月29日:ベルリンマラソン