実業団女子駅伝中日本大会が10月20日、岐阜県庁を発着点とする6区間42.195キロのコースで行われる。3位までと2時間23分を突破したチームが、12月に宮城県で開催される全日本実業団対抗女子駅伝への出場権を得る。

 デンソーと豊田自動織機の2強の争いとなるのは間違いない。一昨年は東日本地区から移ってきた豊田自動織機が2時間16分50秒の大会新で圧勝。無風地区と言われていた中日本を活性化させた。昨年はデンソーが大会記録に7秒差と迫るタイムで雪辱し、その勢いで全日本大会でも2位と健闘した。

 今季もデンソーが充実している。実業団女子駅伝は10キロ以上の区間が2つあるが、デンソーは昨年の今大会、全国大会と高島由香(25)と水口侑子(28)が走ってきた。その2人が今季、1万メートルで32分台前半の自己記録をマークしている。昨年の全国大会で6区区間新の石橋麻衣(24)は、日本選手権5000メートルで6位と日本代表を狙える選手に成長した。

 豊田自動織機は高校時代に大活躍した菅華都紀(19)が入社2年目で復調。9月の全日本実業団1万メートルで大幅に自己記録を更新した。大卒2年目の沼田未知(24)も同大会で自己記録に3秒差と好走。2008年の全国大会優勝時に6区区間賞の永田あやも加え、32分台後半を3人がマークしている。

 9月の全日本実業団1万メートルには、両チームの10キロ以上区間候補4人が出場した。水口(デンソー)、菅(豊田)、沼田(豊田)、高島(デンソー)の順となり、豊田自動織機が明らかに劣勢というわけではない。

 偶然だが、両チームとも故障明けのエースが走る。デンソーの浅羽加代(30)は2011テグ世界陸上1万メートル代表。豊田自動織機の小林祐梨子(24)は2009年ベルリン世界陸上5000メートルで11位の実績を持つ。

 浅羽は9月の記録会3000メートルが今季初レースで、9分21秒86とまずまずの走りを見せた。小林は4月の米国での5000メートルを最後に試合から遠ざかっているが、今大会には出場予定で準備している。

 2人が1区に出場する可能性もあり、そのときは両エースの走りがレースの流れを大きく左右しそうだ。