<実業団女子駅伝西日本大会>◇27日◇福岡県宗像市役所発着6区間42.195キロ

 大塚製薬が2位から7位までが43秒差という混戦を制した。その原動力となったのが3区(10・2キロ)で区間2位と快走した伊藤舞(29)だ。「今日はラスト1キロくらいで離されてしまいました。自分の走りはできましたが、区間賞を取れなかったのは悔しいですね。でも、野口(みずき・シスメックス=35)さんや福士(加代子・ワコール=31)さんと走って2位は初めてです」

 大塚製薬は5年前に女子駅伝の強化を始めた歴史の浅いチームだが、伊藤が2年前のテグ世界陸上マラソン代表に成長し、高校・大学時代に実績のない選手たちに自信を与えた。

 伊藤自身も成長を続け、この1年で5000メートル、1万メートルなど4種目で自己記録を更新。「次のマラソンでは2時間22~23分を」と、記録的にはなかなか結果が出ない日本女子マラソン界で、インパクトのある走りをするつもりだ。

 大塚製薬は昨年の全日本実業団対抗女子駅伝も7位と、チーム最高順位をマークした。それ以上を目指したいが、今季の女子駅伝はまさに群雄割拠。河野匡監督(53)は「チーム作りに失敗したら14~15位もある。西日本の2位でも喜んでいられない」と、かぶとの緒を締める。

 伊藤は全日本でも3区への出場が濃厚。「今日の勢いをつなげたいですね。全日本でもしっかり走れたら、マラソンにつながると思います」

 駅伝でも、マラソンでも目が離せない存在になってきた。