女子マラソンの04年アテネ五輪金メダリスト野口みずき(33=シスメックス)が、祝賀ムード封印でロンドン切符をつかみに行く。14日、合宿先の米コロラド州ボルダーから帰国。来年1月29日の五輪選考レース大阪国際へ「この1カ月が重要。次のボルダーに向けて引き締めたい」と第2次高地合宿実施を明かした。24日に再渡米して来月20日前後まで、クリスマスや正月返上で仕上げていく。

 フルマラソンは07年11月の東京国際以来。11月1日からの第1次合宿は「距離走をこなせた。距離を踏むことでフォームが固まり、まっすぐ着地できるようになった。走るリズムも戻ってきました」と収穫いっぱいだった。3年以上苦しんだ左足痛も完治。現地では故障後初の40キロ走も2度行い「30キロ走は(07年)東京前に近いタイムで走れた」と1カ月半ぶりの日本に充実の表情で降り立った。

 11月20日の15キロレース(オランダ)では左膝に違和感があった。「左右の筋肉バランスが悪かっただけ。逆にあれから乗りに乗ってきた」と今は不安はない。ロンドンまで描く復活ロード。「走れる喜びを感じている」というアテネの女王が順調に走っている。【近間康隆】

 ◆野口みずきの苦闘

 08年北京五輪の直前に左太ももを肉離れして欠場。以降も左足痛を繰り返して長期離脱する。昨年10月の実業団女子駅伝西日本大会で2年5カ月ぶりに本格レース復帰も、同12月の全日本実業団対抗女子駅伝で体調不良と左足首内側付近を疲労骨折。今夏も左臀部(でんぶ)を痛めたが、10月の実業団女子駅伝西日本大会で区間賞の走りで復帰した。

 ◆野口の今後

 18日の全日本実業団対抗女子駅伝(仙台)にはエントリーしているが、走るかは未定。24日に米ボルダーへ出発して来年1月20日前後に帰国、同29日の大阪国際出場予定。

 ◆女子マラソンのロンドン五輪代表選考

 8月の世界選手権と11月の横浜国際、来年1月の大阪国際、同3月の名古屋ウィメンズ(旧名古屋国際)が対象。五輪での活躍が期待できると思われる3人が選ばれる。世界選手権はメダル獲得した最上位者が内定だったが、赤羽有紀子(ホクレン)の5位が最高。横浜国際では木崎良子(ダイハツ)が優勝して1歩リードした。