第2の川内出てこい!

 瀬古利彦総監督(56)が新生チームを鼓舞した。廃部したエスビー食品陸上部を受け入れたDeNAランニングクラブが3日、都内で結団式を行った。今季こそ来年元日のニューイヤー駅伝出場を最大の目標に掲げるが、同総監督の熱意は自然と、3年後のリオデジャネイロ五輪でのマラソン選手輩出に向けられた。

 刺激になるのは日本陸上界の風雲児・川内優輝(26=埼玉県庁)。かねて「瀬古さんの名前を日本歴代の上位ランクから消したい」と話す川内に対し「生意気なことを!」。乱暴な言葉とは裏腹に笑みを浮かべて話した。「彼があれだけ走れるのは“マラソンをやりたい”と思うから。常識が常識でなくなったけど、我々も彼を見て勉強になる。彼を尊敬しているし、あんな選手を欲しいなと思う。来てくれれば…」。

 実現不可能なら自分が育てるまで。主将の上野がマラソン挑戦を目標にするが「今は無理だけど、あの子が走ったらすごいと思う」と未知の力に期待する。恩師の故中村清氏の生誕100年を引き合いに「古いものと新しいものを合体してガンガン言ってビシビシ鍛える」。男子マラソンの上げ潮ムードに、瀬古流船出で乗り上げるつもりだ。【渡辺佳彦】